君がくれた約束[続編]
ヒデキがスラスラと発する言葉を聞いても、なんだか信じられない……。
テレビでは一切報道されてない私のことを、なんで知ってたんだろう?
私の携帯番号も……。
そんなことを知ってるんだもん。シュウが何処に住んでるかなんて、もっと前に知っててもおかしくないよね?
そしたらもっと早く会いに行くんじゃないかな……?
私は黙ったまま、二人のやり取りを聞く。
「うん、来た理由は分かった」
「兄さんは俺と会っても嬉しくないの?」
「弟がいたとか今の今まで知らなかったから。嬉しいって言うより、ビックリした」
「そうだよね。それよりその人は兄さんの彼女?紹介してよ」
えっ?
私のこと知ってるよね?
電話だって掛けてきたじゃない!
意味が解らない……。
「彼女の倫子さん」
「へぇー、倫子さんかぁ。ヒデキです。宜しく」
「う、うん。……宜しく」
ヒデキは初めて会ったあの日の男とは、全くの別人じゃないかと思わせるくらいの態度だ。
そしてヒデキはシュウに申し訳なさそうな顔をして言った。
「あのさ、再会してすぐに悪いんだけど、暫くここに泊めてくれないかな?俺、行くところがないんだ……」