君がくれた約束[続編]
少しすると玄関が開き、シュウの声が聞こえた。
「倫子さん?!」
振り返るとシュウが息を切らせながら、部屋の中に入ってきた。
「倫子さん……大丈夫?なにがあった……」
その瞬間、三上さんがシュウを思い切り殴って怒鳴った。
「お前さ、ちゃんと守れよ?!神田がこの前俺に電話してきたのも不安だったからだろ?!なにやってんだよ!!」
シュウはゆっくり視線をヒデキに向け、ヒデキは下を向いたまま、力ある声を発した。
「……お前が姉ちゃんの人生を狂わせたからだ」
「姉ちゃん?」
私は両手で耳を塞ぐ。
もう……聞きたくない。
「神田さん。出よう……?」
三上さんのその言葉に、シュウは絞り出すような声で言う。
「ちょっと待って下さいよ……!」
でも三上さんは冷たくシュウに言い放った。
「待ってどうするんだよ?神田さんがここにいても危ないだけじゃないか」
「……倫子さんと俺の問題だから……」
「お前には任せられないんだよ。お前が海外に行ってたときも、なにがあったか知ってんのか?神田さんは俺が幸せにする。行こう?神田さん」
私は立ち上がり、玄関に向かう三上さんの後をゆっくりと着いていく。
「倫子さん!!」