君がくれた約束[続編]
私はもう、振り返らないで部屋を出て行った。
シュウを嫌いになって、三上さんに気持ちが動いた訳じゃない。
ただ、あそこにいたくなかった。
「神田さん、うちに来る?大下のところの方がいいか」
「……三上さんはなんで来てくれたんですか?」
「大下から電話をもらったんだ。先に大下に電話しなきゃ、心配してる」
そう言って三上さんは紗香に電話をする。
「大下?神田さん、大丈夫だから。……ああ。……それで今日は神田さん、大下のところに泊めてやってくれない?」
私は三上さんの声をボーッと聞いてた。
「……ああ、そうか……。じゃあ、うちに泊まれないか?神田さんもひとりじゃ心細いだろうし、男がいたら嫌だろ?」
三上さんはそう言って少し黙ると又話し始める。
「じゃあそうしてくれる?悪いな」
三上さんは電話を切り、私に言った。
「うちに行こう。大下が来てくれるから」
私はコクリとうなずき、三上さんとタクシーに乗ると、三上さんのマンションに向かう。
タクシーの中で話すこともなく……。
「ここでいいです」
三上さんはタクシー代を払い、一緒にタクシーを降りると、マンションに入り三上さんの部屋に行く。