君がくれた約束[続編]
電源……切られたままなんだ。
「どうした?」
「いえ。ありがとうございました」
「もういいの?」
「はい」
そう言って三上さんに携帯を返す。
すると三上さんは冷蔵庫の中から、ペットボトルの紅茶を取り出して言った。
「飲みな」
「ありがとうございます」
紅茶を受け取り、一口飲む。
「大下、遅いな」
「主婦だしいろいろやることあるんじゃないですか?」
「……そうか」
三上さんは落ち着かないみたいで、何度も時計を見たり、続かない会話を繰り返す。
しばらくするとインターホンが鳴った。
「やっと来たか。ちょっと待ってろよ」
三上さんはそう言って玄関に向かい、紗香と一緒に戻ってきた。
「倫子……。大丈夫?」
「うん……」
私がそう言うと、三上さんが割って入るように言う。
「じゃあ、俺行くから。これ使って」
そう言って鍵を渡し、そのまま玄関に向かっていく三上さんに聞く。
「何処に行くんですか?!」
「どっかその辺に泊まってくるよ。なにかあったら……大下、電話して?」
「えっ?でも……」
「いいから。おやすみ」
三上さんはそのまま部屋をあとにした。