君がくれた約束[続編]
「三上さんって本当にいい人だよね」
「……うん」
「でもよかったよ。倫子が無事で」
「ありがとね。旦那さん、大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。その辺は理解あるんだ。一週間でも二週間でも行ってこいって言うんだもん。そこまで言われると嬉しくないよね」
紗香はそう言って笑うと、真剣な顔をして聞いた。
「なにがあったの?」
私は少し前に起こった出来事を、紗香に説明する。
「で、倫子はシュウくんのところに戻るの?」
「……分からない」
「無理に戻ると溝が深くなることもあるし、難しいね」
「うん……。紗香は?順調なの?」
「うん。お陰様で」
そう言う紗香はすごく優しい顔をしていて、少し羨ましく思う。
もし、シュウと出会わなければ、今頃誰かと幸せな家庭を築いて、子供とかいたのかな?
ふと、そんなことが頭をよぎったけど、想像できないや……。
「シュウくんには電話したの?」
「携帯……あの男が持ってて、シュウの番号が分からないから」
「じゃあ、ちょこちょこ倫子の携帯に掛けた方がいいね」
「そうだね」
日付が変わるまで紗香と話して、その間、何度か私の携帯に電話をしたけど、繋がることはなかった。