君がくれた約束[続編]

部屋の前に立つと、インターホンを鳴らす。


シュウ……早く出て。


鍵は昨日置いて行ってしまったから、ここで待つしかできない。



でも、インターホンを何度鳴らしても、シュウもヒデキも出てこない……。


時計を見ると十八時半で、私は三上さんに聞く。



「シュウは仕事が遅いときでも、二十時頃には帰るんです。それまでここで待ってもいいですか?」


「いいよ。でも神田さんもここに住んでるんだから、管理人さんに言えば開けてもらえると思うよ?」


「……シュウが借りてる部屋だから」



私はそう言って部屋の前に座り込む。



すると三上さんも私の隣に座り込んで口を開いた。



「大丈夫?」


「……?」


「手が震えてるから」



分からない内に手が震えていて、それはヒデキのことがあったからなのか、シュウとのこれからのことに対しての不安からなのか、昨日一睡もできない身体の疲れなのか……。


分からない。


私はなにも答えないで、三上さんに少し笑って見せると、あのころのことを思い浮かべた。


シュウをずっと待っていたころの気持ちに、少しだけ今の気持ちが重なるんだ。


シュウは私を見たらなんて言うんだろう……?


そして私は……?

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