君がくれた約束[続編]
部屋の前に座り込んでから、一時間近く経ったとき、ローカを歩く音が聞こえた。
シュウ……?
私はその音がする方に視線を向け、耳を澄ませる。
「神田さん」
「……はい」
視線を靴の音がする方から三上さんに向けると、三上さんが言った。
「俺、神田さんが幸せになってくれたらいいって思ってたけど、ずっと心配だった。彼氏のこと忘れられなくてもいいから、俺と結婚しないか?」
三上さんの突然のプロポーズに、胸がドキンとする。
でも……。
考えなくても答えは決まってた。
「でも私は……」
「他の男に任せたくないんだ。俺が幸せにしたい」
力強く言う三上さんの言葉に、なにも言い返せない私がいた。
三上さんの視線は急に上の方にいき、私もつられて同じ方を見る。
するとそこには立ちすくむシュウの姿があった。
今の話……聞かれた……?
私も三上さんもシュウも黙ったまま、三人の間に重い空気が流れる。
少しすると三上さんは苦笑いをして、私に言った。
「ちゃんと話せよ。俺、外で待ってるから、もしこのままここに残るなら、電話して」
「でもっ」
三上さんに待ってもらうのは悪い気がした。