君がくれた約束[続編]
どうなるか分からないのに……。
「いいから。頑張れよ?」
さっきプロポーズしてきた三上さんは、私の幸せを考えてくれるから、頑張れよなんて言えるの……?
三上さんはそのままエレベーターに向かい、呆然とする私にシュウが言った。
「倫子さん。とりあえず中に入ろう。ヒデキならいないから」
何処かぎこちないシュウに不安を感じながら、私はコクリと頷くと、シュウと一緒に部屋に入る。
シュウは黙ったまま、グラスにオレンジジュースを注ぐと私に渡し、いつもとは違うシュウの態度に、私は戸惑う。
嫌な予感がする。
重々しい空気の中、私はそっと口を開いた。
「ヒデキは……?」
「……お姉さんのところ。さっきまで一緒にいたんだ」
「……」
さっきまで一緒に?
それは、その女の人のところに行ってたってこと……?
聞きたいけど聞きたくないことを、シュウは自ら言った。
「久しぶりに会ってきた」
やっぱり……行ってたんだ……。
「ヒデキに聞いたとき、正直言って半信半疑だったんだ。……でも本当だった。車椅子に乗ってた」
「……」
なんとなく、これ以上聞きたくない。
別れを告げられる気がした。