君がくれた約束[続編]
「神田さんはこれからどうするの?」
「……まだ」
「まぁ、そんなに急にいろいろ決められないよな」
「……」
そうは言ってもずっと三上さんのお世話になる訳にはいかない……。
シュウに言われた通り、一度実家に帰った方がいいよね?
東京に住むにも仕事も住むところも、住むところを借りるお金さえないんだから。
「神田さん?」
「やっぱり……実家に帰ります」
「……ここで一緒には暮らせない?」
「三上さんはいい人だから、これ以上迷惑掛けたくないです」
「どうしてもダメか?」
私は黙ったまま、首を縦に振った。
「……分かった。今日はここに泊まっていけよ?」
「……はい」
「じゃあ、又明日の朝帰るよ」
そう言って部屋を出ようとする三上さんの服を掴んで、私は言う。
「今日はここにいてもらえませんか……?」
こんな日にひとりではいられない……。
誰かと話していないと壊れてしまいそうなんだ。
「……そんな顔して言うなよ」
「……すみません」
「いいよ。今日はここにいるよ。でもちょっと待ってて。用事があるから」
三上さんはそう言って優しく笑う。