君がくれた約束[続編]

「用事?」


「そう。すぐ戻るから」



三上さんはそう言って部屋を出ると、私は又ひとりになっていろいろ考える。


あのとき、もしひとりで家に帰らなければ、まだシュウと笑ってたかな?


でも、きっと遅くてもこうなってたよね……。


運命は変えることはできないんだ。


そう思うと、息をするのも苦しくなった。


五年後の私はなにをしてる……?


シュウじゃなく知らない誰かの隣で笑ってるかな?


……幸せなのかな?


シュウとのことも笑って誰かと話せるようになってると……いいな。



そのとき玄関のドアが開き、玄関の方を見ると息を切らせながら入って来る三上さんの姿があった。



「早く帰らないと、二度と会えない気がしてさ……。ほら、これ」



少し笑って三上さんが差し出した封筒を開けると、滋賀行きの切符が入っていた。



「心配だから、朝、駅まで送るよ」


「……ありがとうございます」



三上さんは、付き合ってもいないのに、いつもすごく優しくて大事にしてくれる。


胸が痛くなって、涙が出そうになった。


心が弱ってるときにこの優しさは、痛い……。


なんでシュウより好きになれないんだろう。


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