君がくれた約束[続編]
「ずっと……起きてたんですか?」
「うん。寝るのが勿体なくてね」
「勿体ない……?」
三上さんはなにも答えず起き上がると、私に言った。
「そろそろ用意するか?」
「はい」
今日、滋賀に帰るんだ……。
全部捨てなきゃ。
東京に……。
シュウへの気持ちも。
カーテンを開けて東京の街並みを見下ろすと、帰る支度をする。
帰ったときの両親の反応を想像すると、又胸が痛くなった。
せっかく送り出してくれたのに、こんな風になっちゃった……。
「じゃあ行くか?」
私はうなずき三上さんと一緒に部屋を出る。
三上さんも私も無口で、駅に着くと三上さんが口を開いた。
「向こうに帰っても頑張れよ」
「……はい。三上さんも……幸せになってください」
少し笑顔でそう言うと、三上さんは私を強く抱きしめて言った。
「本当は行ってほしくないんだ。でも……もう連絡もしてこないんだろ……?」
「……」
「昨日話してて分かったよ……」
「……ごめんなさい」
三上さんはゆっくりと身体を離し、少し笑いながら言う。
「絶対幸せになれよ?」