君がくれた約束[続編]
こんなときひとりでいるのは辛い。
もらったばかりの母子手帳をテレビ台の中に閉まって、タクシーで実家に向かった。
「ただいまー」
「……倫子?」
母親が玄関まで出迎えてくれて、私が家の中に入ると、母親は慌ててテレビを消した。
「付けててもいいのに……」
「お母さん見てなかったからいいのよ」
「……シュウのことやってたんでしょ?」
「……うん。ちょっとシュウくん映ってたけど、元気なかったわ。もしかして倫子のことをまだ……」
そう言いかけた母親に言った。
「そんな訳ないじゃない。親バカなんだから……」
お母さんには赤ちゃんのことは言わない。
お父さんに反対されて、おろせって言われるかもしれないから……。
おろせなくなるまで、隠しておこう。
そう思った。
「仕事は?」
「ちょっとズル休み」
祝福されない状態で産んでもいいのかな……?
でも、おろすなんてできない。
「そうね、たまには息抜きしないとね」
「お母さん……私の子供の頃の写真って何処だっけ?」
「それならそこの押し入れの中にあるわよ。ちょっと待って」
そう言って母親は押し入れの中から、分厚いアルバムを五冊取り出す。