君がくれた約束[続編]
「いっぱいあるんだね」
「そうよ。倫子が産まれる前から、お父さん、カメラ買ってきて毎日撮ってたんだから」
ふたりで笑いながらアルバムのページをめくると、産まれたばかりの私が沢山写っていた。
笑ってる私。
泣いてる私。
お腹の中にいる赤ちゃんも、産まれてきたらこんな顔をするのかな……?
早く会いたい。
「倫子はね、子供の頃熱ばかり出してて大変だったのよ」
「……子供育てるのって……大変……?」
「大変よ。ひとりじゃとても無理ね」
ひとりで大丈夫かな……。
「倫子?」
「……ん?」
「……なんでもない。ご飯の支度するから、倫子はここでアルバム見てる?」
「うん」
「食べて帰るでしょ?」
「うん」
母親はキッチンに向かい、私はひとりでアルバムをめくる。
アルバムを見ると、両親から注がれてきた愛情を感じた。
私が今しようとしていることは、親不孝なのかもしれない。
子供を産んで成人するまでは、恋はしないと思う。
シュウがずっとひとりだったのを知ってるから。同じ思いをさせたくない。
そしたらきっと結婚なんてできないと思う。
それでも産みたいんだ。
ごめんね……。