君がくれた約束[続編]

相変わらず素っ気ないシュウに少し笑った。


シュウがご飯を作り始め、私はコートを脱ぐ。

その瞬間チラッと手首の傷が見えた。


今日言うのはやめとこう……。

せっかくシュウといい感じなんだから、今度でいいよね?


私は又鞄から腕時計を取り出し、シュウに見られないように付ける。


シュウがご飯を作り一緒に食べて、お風呂に入るとシュウはこの前と同じように、部屋の電気を消してベッドに横になってテレビを見ていた。



「シュウ、こっちの電気、消すね」


「うん」



私は電気を消して、シュウの隣に潜り込む。


やっぱり、ドキドキする。


慣れない指輪がくすぐったいよ


チラッとシュウの方を見ると、シュウはムッとした顔をして、テレビを見ていた。



「どうしたの?」


「……」



私はテレビに目をやると、リストカットの特集をやっていた。


モザイクがかかった女の人の、左手首の無数の傷……


シュウはどう思って、これを見てるの?


私は不安になって、喋らずにはいられなくなる。



「人間、そんなに強くないもんね…」


「……」



シュウの無言が、私を又不安にさせる。


何か言ってよ……


< 27 / 305 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop