君がくれた約束[続編]
「じゃあ買ってきます」
片瀬くんがいなくなると、裕介に聞く。
「楽しい?」
「うん!まだいっぱいのりたい」
「いいわよ」
「ねぇ、あのひとがパパになるの?」
「さぁ。裕介はどう思う?」
「……いいけど、もっとかっこいいひとがいいな」
「こらぁ!」
私は裕介の脇腹を思い切りくすぐる。
「ごめんなさぁい」
裕介と私は思い切り笑った。
こんな時間にすごく幸せを感じる。
「お待たせ」
ジュース三つを持つ片瀬さんは、私と裕介を見て穏やかに笑った。
片瀬さんを好きな訳じゃないけど、きっと親子三人ってこんな感じなんだ。
穏やかで暖かい。
私が昔、欲しくてたまらなかった幸せ……。
きっとこんな感じなんだ。
ただここにはシュウはいない。
楽しい時間はアッという間に過ぎて、疲れ果てた裕介は片瀬さんの背中で眠る。
「じゃあそろそろ帰りましょうか」
「うん。今日はありがとう」
「こちらこそ。父親ってこんな感じなのかなって……楽しかったです」
何故か少しだけ胸がズキンとした。
バス停まで送ってもらい、バスが来ると裕介を起こしてバスに乗る。