君がくれた約束[続編]
「おじさんバイバイ」
裕介は満面の笑みを浮かべ、私は小さく頭を下げて席に座った。
席に座ると裕介はコクリコクリとしていて、そんな裕介を愛しく思う。
シュウは今頃どうしているんだろう?
あの車椅子の女の人との間に子供はできたのかな……。
そして、今日の私と裕介と片瀬さんみたいに、動物園に出掛けたりしてるのかな……。
そう思うと胸が苦しくなった。
やめよう。
せっかく楽しい一日だったのに。
こんなことを考えるのは。
私は私と裕介の人生を考えなきゃいけない。
シュウとのことは完全に終わってるんだから……。
「裕介、着いたよ」
「……うん」
眠そうな目を擦りながら裕介は起き、手を繋いで家に向かう。
「今日は楽しかった?」
「うん!ママはたのしかった?」
「うん。楽しかったよ」
私のその言葉を聞くと、裕介はより一層嬉しそうな顔をする。
そして家に着き、居間に入ろうとした瞬間、信じられない言葉がテレビの音となって流れてきた。
「先程高山秀明さんの離婚のニュースが飛び込んできました。CMのあとお伝えします」
嘘。
……離婚……したの……?
ドアを開けようとしていた手が止まった。