君がくれた約束[続編]
「ママ?はいらないの?」
裕介の言葉にハッとして、私はすぐに返事をする。
「入るよ」
ドアを開ける手が震えた。
「ただいま……」
そう言って部屋に入ろうとする私を見て、母親は慌ててテレビを消す。
「消さないで」
「……でも」
「いいから。消さないで」
裕介は異様な空気にキョロキョロしている。
でも、
ちゃんと知りたいんだ。
シュウが離婚したって本当なの……?
本当ならなんで?
あんなに辛い思いをして別れたのに。
バカみたいじゃん。
私……。
母親がテレビを付けると、CMはまだやっていて、長いCMに少しイラつく。
「……ママ?」
裕介の声を遠くに感じて、私は目を反らすことなくテレビを見る。
CMが明けたら、シュウがテレビに映る。
あの頃のシュウの顔がボンヤリと浮かんできた。
CMが明け、私の鼓動が高鳴る。
「今日午後四時に高山秀明さん離婚という話が飛び込んできました。ニコニコワイドにきたFAXはこちらです」
アナウンサーがそう言うと、左上画面に小さなシュウの顔が出て、FAXが映しだされた。
息が止まりそうなほど胸が高鳴る。