君がくれた約束[続編]

それでも朝は当たり前のようにやって来て、私は仕事に行き、家に帰るだけの毎日を繰り返す。


ある日の食事時、父親が言った。



「この前言ってた見合い相手の木村くん。倫子の写真を見せたら凄く気に入ったみたいでな。今度の日曜日、鶴亀ホテルで食事だ」



嬉しそうな父親の顔に頭にきた。


私はそれどころじゃないの!



「見合いなんてしないって言ったよね?何でそんな事を勝手に決めるのよ?!」


「こっちで決めないと、いつまで経っても結婚出来ないだろ?」


「結婚は私が自分で決めるの!!」


「ダメだ!どうせ又ろくでもない男を捕まえて泣くだけだろ?!」



ろくでもない男…?

シュウの事、何も知らない癖に!!



「そんなに見合いがしたいなら、お父さんがすれば?!もういい!!」



私は食べ掛けのご飯をそのままにして、部屋に戻った。


ついつい見てしまう携帯はいつも通りで…。


終わってしまうかもしれないシュウの事を悪く言われても、あんなに腹が立った自分が凄く笑えた。


可笑しすぎて、涙が溢れた。


ねぇ、シュウ

早く連絡してよ。

指輪だけじゃ寂しくて不安だよ……。


< 35 / 305 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop