君がくれた約束[続編]
―日曜日
私はお見合いの為の準備をする。
綺麗に化粧をして、清楚な格好をすると、母親に貰った腕時計とシュウに貰った指輪を右手の薬指に嵌める。
なんとなく気が乗らない……。
「倫子、そろそろ行くわよ?」
「はーい」
今日は美味しいご飯を楽しもう。
私は急いで車に乗り込んだ。
「倫子、ちゃんと失礼の無いようにするんだぞ?」
上機嫌で父親が言う。
「はいはい」
お見合いするホテルは家から20分くらいの所で、気乗りしないせいか、早く着いた気がする。
ホテルの指定されたレストランに入ると、木村さん一家はもう来ていた。
「神田さん、早く早く」
「あっ、すみません」
呼びに来たおばさんは仲介役の渡辺さんで、私は子供の頃から顔だけは知っている。
「倫子ちゃん綺麗よ。木村さんと良いご縁になるといいわね」
「はぁ…」
席に向かう途中も私は木村さん一家を見ない。
『木村さんと良いご縁』
なんて無いんだから。
木村さん一家がいる席に付くと、父親が言った。
「すみません。お待たせしたみたいで…」
こんな時下手に出る父親を見て、早川さんを思い出した。