君がくれた約束[続編]

「倫子さんは、ご趣味とかあるの?」



木村さんの母親が苦笑いをしながら言った。



「趣味…ですか?」



頭の中で必死に考える。

私の趣味って何だろう?


考えていると、秀司が言った。



「母さん、趣味は何?とか下らないよ。そんなの二人で見付けて行くもんだよ。まだお互い相手に興味が無いのに、そんな事言ったり聞いたりしても、無意味だと思うけど」



秀司のその一言で、空気が凍りつく。


でも秀司はそんな事は気にしないで、次の言葉を発した。



「倫子さん…だっけ?ちょっといい?」


「えっ?」



秀司は私の返事なんて聞かないで、私の手を引っ張ってレストランから出る。


両親達はただただ呆然としていた。


てか、何なの?!

この秀司っていう男


少し歩いて、止まると秀司は言った。



「なぁ、この見合い、ぶち壊さない?」


「えっ?!」



だって、秀司が私を気に入ったって、お父さんが言ってたんだけど。

意味が分からない。



「…俺さ、彼女いるんだよね」



秀司は不機嫌そうな顔をして続ける。



「君だって、彼氏くらいいるだろ?」



彼氏……。

胸がズキンとする。

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