君がくれた約束[続編]
「すみません」
静まり返った席で秀司が一言そう言うと、仲介役の渡辺さんが必死に盛り上げる。
「まぁまぁ、二人とも仲がいいのね!」
「もう、うちの秀司はすっかり倫子さんの事を気に入ったみたいで…。本当にすみません」
秀司の母親がひきつった笑顔でそう言うと、うちの父親が言う。
「いやぁ、うちの倫子がそんなに気に入って貰えるとは、光栄ですよ!なっ?倫子」
えっ、私?
いきなり私に振らないでよ!!
私は居ない間に出された料理を黙々と食べ続けて言った。
「そうね。秀司さんはエリートだし、容姿端麗で申し分無いと思うわ。でも、私みたいな地味な女じゃ釣り合わないんじゃないかしら?」
秀司の母親の方をジッと見ると、秀司の母親は上機嫌で答えた。
「まぁ、倫子さんたら!秀司にはね、貴女みたいに地味な女の子の方がいいのよ」
それを聞いた父親がボソッと言う。
「うちの倫子は地味ですか…」
「いえいえ、変な意味じゃありませんのよ!一途そうって言うか、何と言うか……」
少し焦っている秀司の母親を見て、秀司は笑った。