君がくれた約束[続編]
「まぁ、一途と言えば一途ですが…」
どんよりとする神田家を見て、木村家も少し不安そうな顔をして言った。
「今もそういう方がいるとか…?」
注目は一斉に私の方に集まる。
言いたい…。
けど、言ったら父親に反対されて東京に行けなくなって、本当にシュウと会えなくなっちゃう。
沈黙が続き、秀司が口を開いた。
「失礼だよ。そんな事を聞くなんて。もし倫子さんにそういう人がいても、うちが責める権利は無いと思うけど?」
秀司のその一言で、動揺と気まずい空気が大きくなる。
「母さん、もういいだろ?帰ろう」
木村家の両親も、うちの両親も複雑そうな顔をする中、私は笑顔で言った。
「渡辺さん、ごめんなさい。木村さん、お見合いはダメになったけど、せっかくだから今だけでも食事を楽しみませんか?固い話しは抜きにして」
すると空気が少し和んで、それぞれが話しながら食事を再開させる。
秀司の方をチラッと見ると、秀司は笑って言った。
「やるじゃん」
私は小さくピースサインをする。
食事は無事に終わり、両親達はすっかり仲良くなっていた。