君がくれた約束[続編]
―日曜日
私は薄く化粧をしてジーパンとトレーナーの上に、ダウンジャケットを羽織って出掛ける。
秀司だし、気合いを入れる必要ないもんね。
待ち合わせ場所に着くと、秀司が先に来て待っていた。
「ごめん、待った?」
「待ったよ、さみ~…。てかさ、何だよ?その格好…」
「だって秀司なんだし、いいでしょ?秀司だって…いつもと同じ格好じゃん!」
「バーカ、俺はデートの時はちゃんとお洒落してんだよ」
「私だって!」
秀司と一緒に居ると、女友達と居るより楽チン。
秀司と暫くブラブラし、お昼を回った頃、定食屋に入る。
定食屋は綺麗とは言えないけど、美味しいのか沢山の人で溢れていた。
「ここ上手いんだ」
「うん、そんな気がした。お勧めは何?」
「全部。でも俺はここのカツ丼が好きなんだ」
二人でカツ丼を頼むと、秀司は寂しそうに言う。
「本当は彼女を連れて来たいんだけど、連れて来れなくてさ」
やっぱりモデルをやってる人って、庶民的なお店は嫌がるのかな…?
「いいよ、そういう店は私が付き合ってあげるから」
「そうだな」
そう言った時、テレビから聞き覚えのある名前が流れた。