君がくれた約束[続編]
「会わないよ」
「そっか…」
「秀司は…?」
「……」
秀司は黙ったまま、寂しそうに窓の外を眺めていた。
やっぱり少しだけシュウに似てる…。
「…何?」
「ううん。何でもない」
秀司も私も無口なまま東京駅に着き、改札に向かうと、あるはずのないシュウの姿を探す私がいる。
秀司は真っ直ぐに前だけを見て、改札を抜けると、慣れたようにタクシーを拾い、行き先を告げるとイベント会場へと向かった。
イベント会場に着くと沢山の人が溢れていて、シュウとの距離を遠く感じる。
「ねぇ…私やっぱりいいよ」
「何で?」
秀司はムッとした顔をして私を見る。
「見たく…ないから」
私はそう言って少し笑って見せた。
「バカ。ただのイベントだろ?行くぞ」
秀司は不機嫌そうな顔で私の腕をグイグイ引っ張って行き、チケットを見せると中に突き進む。
「痛い」
「……」
「痛いってば!」
「あっ…ごめん」
中に入り、席に座ると私は秀司に聞いた。
「何でそんなに怒ってるの?モデルやってたら、こういう仕事も普通にあるでしょ?」
もっとドンと構えてればいいのに!