君がくれた約束[続編]
すると秀司は下を向いて悲しそうな顔をして言った。
「約束してたんだよ…」
「約束?」
「あぁ。ウェディングドレスを着る仕事だけは断ってくれって」
「そっか…」
きっと秀司は自分の為にだけ、ウェディングドレスを着て欲しかったんだ…。
「俺、大人気ないよな。今日のイベントもぶっ壊そうとか思ってて…」
「バカだね…。そんな事したら嫌われるだけじゃん」
「…だな」
「終わったらさ、待ってようよ?で、いい加減プロポーズしちゃえば?」
秀司は少し笑みを漏らす。
「ちょっと頑張ってみるよ…」
「うん!」
きっと大丈夫だよ。
リカコさんだってウェディングドレスを着て、隣に好きな人を想像しない訳がない。
私だったら、絶対シュウが隣に居たらって思うもん。
シュウもそう思ってくれてるよね?
イベントはシュウの会社のホテルが、結婚式場を始めるという物で、ドレス姿の子供達や女の子達がステージを舞う。
そして最後にシュウとリカコさんが出て来た所で、BGMは止まり一旦幕が閉じると、少し時間が経ってから幕が開く。
その時又見えた二人の姿に、自分が部外者のような気持ちになって寂しくなった。