君がくれた約束[続編]
「もう要らなくなったからさ……」
そう言って秀司は私に指輪を渡す。
「でもっ」
「これ買った日に振られたんだから、持ってたら思い出すだろ?」
「……じゃあ、預かっとくよ」
私はそう言って笑うと、秀司から指輪を受け取った。
「なんかいろいろありがとな」
「ううん、又ね!」
「あぁ。又な」
秀司と別れると急いで家に向かう。
早く帰って電話しなきゃ、シュウが心配してるよね?
家に着くと、母親が言った。
「昨日、シュウくんから電話があったわよ」
「家に…?」
「そう。お父さんには言ってないけど」
私は母親の顔を見ないで聞く。
「……シュウにはなんて?」
「お友達の家に泊まってるって言ったけど……」
良かった……。
「そうだ、お母さん、紗香の番号とか知らないよね?」
「紗香さん?」
「あっ、やっぱりいいや。ありがとう」
私は急いで部屋に戻ると、携帯に充電器を差し込む。
電源をONにして、先に千里に電話をした。
「もしもし」
「もしもし千里?」
「うん」
「よかった……。あのね、お願いがあるんだけど」