君がくれた約束[続編]
「……なに?」
「あのね、名前貸して貰っていいかな?」
「名前って、なにか悪いことでもしたの?」
やっぱり、説明しなきゃダメだよね。
「違うの。彼氏がいるんだけど、昨日……」
そう言いかけた時、千里が言った。
「倫子、彼氏がいるの?」
「うん。でね、昨日彼氏に連絡できなかったから、一緒にいたことにしてほしいんだけど……」
少しの沈黙のあと、千里が言う。
「やだよ。だって、私まで巻き込まれるみたいで嫌だもん。それより、倫子の彼氏ってどこの人なの?」
普通は嫌だよね……。
「東京だけど……」
「えっ、じゃあ今度紹介してよ?」
「……うん」
そう言ったとき、ドアをノックする音が聞こえ、母親が部屋を開けると、私に紙を渡して出ていった。
紙には紗香の携帯番号が書いてある。
「倫子、聞いてる?」
「ごめん千里、又電話するよ。ごめんね」
私は電話を切ると、急いで紗香に電話する。
「……もしもし」
紗香の懐かしい声がすごくうれしい。
「もしもし紗香?!倫子だけど」
「倫子ー?!」
紗香の声のトーンが上がる。
「うん、元気だった?」