君がくれた約束[続編]
そう言って千里は彼からプレゼントされたという、鞄や時計を嬉しそうに見せる。
千里って……こんな人だったかな?
「素敵な彼なんだね。結婚はしないの?」
私が聞くと、千里は一瞬顔を曇らせて、悲しそうに笑いながら言った。
「まだ待ってほしいって言われてるんだ。後二年って……」
「そっかぁ」
「倫子は……?」
「私はまだまだかな」
簡単にうちの親が許すとも思えないしね……。
新幹線が東京に近付くと、千里は小声で私に聞く。
「そういえばどうなったの?」
「えっ?」
「この前、名前貸してほしいって……」
「あ、大丈夫だった。あのときはごめんね」
「大丈夫だったの?よかったね」
新幹線が東京駅に着き、私と千里は改札口に向かう。
「私はこっちだけど千里は?」
「じゃあ、私もそっちに行く。彼との待ち合わせ迄、もう少し時間があるんだ」
「そうなんだ?」
そう言って改札口に着くと、シュウの姿を見付けて思わず顔が綻ぶ。
改札を抜けて、千里とシュウのところに行くと、千里はシュウの顔を見て驚いた顔をして言った。
「高山秀明に似てない?」