君がくれた約束[続編]
近くを歩いていた人が少しこっちを振り返る。
ヤバい!
「あっ、とりあえず何処か入ろうか?あのね、シュウ、地元の友達なんだけど、彼氏との待ち合わせ迄まだ時間があるんだって。だから、一緒に時間潰さない?」
「いいよ」
私はシュウの言葉に少しホッとして、シュウの顔をジッと見る千里の手を引っ張って、三人でタクシーに乗り込んだ。
タクシーに乗るとシュウは、運転手にシュウの会社が経営するホテルを告げ、車はホテルへと向かう。
「ねぇ、やっぱり倫子の彼氏って……」
私は黙ったまま、コクリとうなずいた。
ホテルに着き、レストランの中に入り、席に着くとシュウが口を開く。
「すみません。高山秀明です。さっきは人が多かったんで……」
「あ、いえ、私の方こそ気が利かなくてごめんなさい」
そう言う千里は少し頬を赤らめていて、私は少し嫌な予感がした。
でも、千里だって彼氏がいるんだもん。
大丈夫だよね?
「いえ。知らなかったのなら仕方ないと思います。ねっ、倫子さん」
「……うん。ちゃんと話しておけばよかったね。ごめんね、千里」
「ううん、いいのよ。でも会うのとか大変そうね」