君がくれた約束[続編]
「さぁ。又、何処かの社長の愛人でもやってるんじゃない?男と金がないと生きていけない人だから」
シュウ……。
平気そうな顔をしてるけど、目が泣いてるよ?
私は思わず、シュウを抱きしめた。
私より大きいシュウが、小さく感じる。
きっとシュウは家庭の暖かさを知らずに育ったんだ。
私がシュウを幸せにしたい……。
私はシュウの胸に顔を埋めたまま、シュウに聞く。
「シュウは子供、何人欲しい?」
「……分からないよ」
「……そっか。シュウ、絶対に幸せになろうね」
「……うん」
シュウと抱き合ったまま、少しすると携帯が鳴った。
「ちょっとごめん」
シュウから離れて携帯を確認する。
―着信 千里
「もしもし」
「倫子?倫子はいつ帰るの?一緒に帰ろうかなって思うんだけど……」
「明日帰るんだけど、千里は何時頃帰るの?」
「あっ、明日なんだ……。私、今日帰るから……」
「そっか、じゃあ又連絡するね」
「うん」
少し千里の様子が変な気がしたけど、喧嘩でもしたのかな?
電話を切るとシュウが言う。
「誰?」
「千里。もう帰るみたい」