君がくれた約束[続編]

家の前に着くと、いつもとは違って、落ち着かない私がいた。


どうやって切り出そう……。


考えもまとまらないまま、家に入る。



「ただいまー」


「お帰り」


「倫子、ちょっと来なさい」



父親は不機嫌そうな顔をして、私を呼ぶ。



「なに?」


「母さんからは、友達のところに行ったって聞いたけど、本当か?」



言うなら今言った方がいいかもしれない……。


シュウ、力を貸して!


私は心臓が停まる思いで父親に言った。



「ごめん、お父さん……。お母さんに嘘ついて、シュウのところに行ってたの」


父親の表情が更に険しくなっていくのが分かる…。


でも、言わなきゃ



「でね、シュウが今度の日曜、うちに来るから会ってほしいの」



すると、父親は血管が切れそうなくらい怒って言った。



「お前はなにを考えているんだ?!あれだけ反対したのにまだ分からないのか!!」



やっぱり。
こうなるよね……。



「絶対会わない!会わないからとあの男に言っておきなさい!!」


「……」



私はなにも言い返せなくて、黙ったまま部屋に戻る。


シュウになんて言おう…。


どうしよう……。


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