また、明日。






優羽に記憶が残っていることが判明したのは、看護師さんが電話をくれる少し前だった。








だけど、優羽の記憶が残っていたのは、僕が病室にこなくなった次の日からだった。









「それって…」








「あなた達は恋人だったのでしょう?おそらく、葉山さんといるとその当時の出来事を思い出せると思うんだけど…」






看護師さんは続ける。







「彼女が記憶をなくす原因となったそもそもの出来事にも葉山さんが関わっているとしたら、思い出すことに拒絶反応が起きているのかもしれないわ」








僕は、必死に看護師さんの言葉を頭で繰り返した。








つまり…








「僕が優羽に逢いに来ると、優羽の中で拒絶反応が起きてその日起きたことを覚えることすら脳が放棄してしまう、ってことですか…」









看護師さんは静かに頷いて、









「確定するには情報が少なすぎるけど、現時点ではその可能性が高いの…」










申し訳なさそうに俯いた。







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