後編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
なかなか衝撃が来ないので
恐る恐る目を開けると


そこには女の子の手首を掴んだ
レイジがいた。


「俺は弱い者には手をあげない
主義だけど。
大切な人に手をあげようとする奴
には女だろうと容赦しねぇ。
覚悟出来てるんだろうな?」


と、恐ろしいくらい低くて
怖い声で言った。


するとその女の子は
レイジに縋りつくように抱き付いて


「だって、好きなの!!
山田君が!!
この女が私と山田君の仲を
邪魔するんじゃないっ!!
これくらい当然でしょ!!
私悪くないっ!!」


離れるもんかってくらいに
ギューっとしがみついたけど
レイジは乱暴に振り払った。
すると簡単に女の子は吹き飛ばされてしまった。


あああ〜!どうしよ〜!


大丈夫??!


「レ レイジ…
ちょっとやり過ぎだよ?」



「ミカに何かしようとする奴には
手加減もなにもする必要はねぇ」


女の子を睨みつけた後に
私の顔をチラッと見ると
一瞬表情が緩んだ。


すぐに女の子の方へ視線をやると
冷たい眼差しで見下ろした


女の子はレイジの目を見て
泣き出してしまった


冷たい事を言うレイジだけど
きちんと力の加減をしてるのも
私にはわかる。


レイジは凄く強いから…


でも…痛くなかったかな?
大丈夫かな??
怪我してない??


私は女の子の所に駆け寄って


「大丈夫??立てる??」


と、手を差し出すと
パチンと跳ね返されて


「なんなの?あんた?!!
サイテーね!バカにしてんのっ?!!
どうせ心ん中で笑ってるんでしょ!!
あんたの助けなんか受けない!!」



「なんでって……
あなたは何も悪くないでしょ?
私と同じでレイジが好きなだけでしょ?
レイジが誰か他の人を好きになったら
私は身を引くわ…私の幸せは
レイジが幸せである事だから…」


こればっかりはね…
いくら私だけが好きでも
レイジの気持ちを1番に考えたい。


「なんなのっ?!!
バカじゃないの!!?
綺麗な顔して…いい子ぶっちゃって
どうせ、そうやって山田君に
取り入ってるんでしょ!!!」
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