雨水、恋ふ。
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うんと冷えた冬の朝。
雪が、降ったらしい。
ちいさな子供達の楽しそうな笑い声が窓の外から聞こえてくる。
ねぇ、雪、積もった?
そう彼に聞くけど、どうしてだろう。
返事がないの。
無視?ひどいわ。
あなたそうやって、たまに意地悪な事するのよね。
昔、それが原因できよちゃんに振られたでしょう。
あ、その前のかずみさんもだっけ。
幼馴染みの私に感謝してよね。
あなたみたいな天の邪鬼にずっと付き合ってあげれるのは私だけよ。
でも……本当は付き合ってもらってるのは私の方かも。
優しいあなたに一番近くにいて欲しかったのよ。
ねぇ、覚えてる?
うんと、うんと前……
私がまだ、夢見る女学生だった頃の話
突然の夕立。
傘を持ってなくて、神社の境内に一旦避難して
帰れずに困ってた私に、
傘を手渡し、「やる」と一言。
自分はびしょ濡れになって走って帰ったあなたに、私はどうしようもなく惹かれてしまったの。
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