音のない恋
彼女を片腕で抱き寄せ
拳を腕で止めようとしたが
俺の腕に当たったのは拳ではなかった。
ポタッポタポタ‥。
血‥?
実花を殴ろうとしていた女をみると
手に血の付いたナイフがあった。
あ、俺の腕か。
よかった、彼女の血じゃなくて‥。
「大丈夫か??」
うなずく彼女。
でも目を見開いて口をぱくぱくさせてる。
「俺なら大丈夫だ」
「おい、お前ら
なにやってんだよ」
いじめてた女子たちも
我に返ったのか
俺の腕を見ながらびくびくしてる。
「いくら女だからって
大切な人傷つけたやつはただじゃおかねぇぞ
二度と俺らに関わんな」
俺がそう言うと俺らに謝って逃げるように向こうへ行ってしまった。