音のない恋
トントン‥
ん?
“嬉しいの”
‥‥っ
“助けてくれて
手話を覚えてくれて
ありがとう”
“無事でよかった”
“私の為にわざわざ手話覚えたの?”
“そうだよ”
“どうして?”
えっと‥‥‥
ちょっとまって、
可愛すぎる。
そんな子犬みたいな目でみないでー‥
って違う違う!
“好きだから友達になりたくて”
俺がそうするとなぜかまた彼女の顔は赤くなった。
“実花って呼んで”
そう言って実花は初めて俺の前で笑った。