音のない恋
ろう者
「「失礼します」」
やっぱり俺の顔は赤いらしく
念のためということで保健室に来た俺たち
でも俺は保健室の扉を開けたとたん
息をすることも忘れてしまった。
「あらどうしたの?
先約いるからそこに座っててちょうだい」
先約といって保健室の先生の前にいるのは
さっきの彼女。
よみがえる記憶。
‥!!!!!
「さっきぶつかったとき怪我してたの!?」
‥
うつむいてうなずく彼女。
白くふんわりした
柔らかそうな彼女の頬には
すり傷があった。
「顔怪我してるじゃん!
怪我したなら言ってくれよ‥」
うつむいたままの彼女。
きつく言ってしまったか?
「ごめんな‥顔に傷つけちゃって」
怪我した頬にそっと触れる。
あ‥顔があか‥バッ!!
パタパタ‥‥ピシャッ!!!
ドアしめていっちゃった。
すごい勢いだったな。