音のない恋
「先生、さっきの子
顔赤かったけど熱あるんじゃないの?」
「ぷっ‥章ちゃん鈍感~?」
「は?」
「ハル君鋭いわねぇ
章太君、彼女は熱ないわよ
ただ怪我したから来ただけです」
鈍感?なんのことだ?
まあ、熱無いならよかった。
「それよりあの子無口なんですねー」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ん?
なんで二人ともそんなびっくりした顔で固まってんだ?
「章ちゃん‥他人に興味なさすぎでしょ!!」
今日初めてあって名前も知らねえのに
んなこと言われてもなあ。
「章太君、さっきの子は佐藤実花さん。
生まれつき耳が聞こえないの
だから声をだすこともできないのよ?」
‥‥え?
俺はその日なかなか寝付けなかった。
というより寝てない。