この恋を叶えてはいけない
「お前……
あの時、どれほど俺が、お前のこと探してたか知らねぇだろ」
「え……?」
「あの旅先で出会って、帰れって言われたから帰ったけど、やっぱり納得行かなくて……
すぐにペンションに戻ったけど、お前はもういなくなってて……。
ペンションの人にお前のこと聞いたけど、個人情報だから教えられないって言われて……。
駅のホームにも走って向かったんだぞ」
それは……
初めて聞く、駿の行動。
あたしが妹と知る前に、必死にユイという女を探していたあの日の出来事……。
「一生の後悔だったっ……。
お前を手放したこと。
やっと逢えたのにっ……
妹ってなんだよっ!!」
「…っ」
駿がこんなにも感情的になっているのを初めて見た。