この恋を叶えてはいけない
「ゃ、だっ……貴志っ……」
唇の間から割って侵入してくる舌。
逃げても逃げてもあたしの行動なんてお見通しのように追いかけてくる。
貴志はきっと、あたしの全部を知っているから……。
「唯香……」
「…っ」
唇を離して見下ろす貴志の瞳は、怖いくらい焦点があっていない。
恐怖があたしの体をつつんだ。
「大丈夫。俺が全部思い出させてやるから……」
「やだっ……」
貴志の右手が、スカートの中へと侵入してくる。
それと同時に、唇が首筋をなぞった。
シャツをまくられ、胸が露わになる。
貴志の手のひらが下着の上からやんわり触れると、間からそっと差し込まれた。
「嫌っ……!!」
恐怖で、心から拒否する声が漏れた。