この恋を叶えてはいけない
 
体は正直に覚えてる。

数えきれないほど貴志に抱かれた日々のことを。


貴志の愛撫一つ一つに、あたしの体は敏感に反応し
抑えきれない自分の中の女が、開花されていく。


「んっ……ぁっ……」
「どうした?付き合ってた頃より感じてんじゃん」


しゃべらないで。

耳を塞ぎたくなるから。


「…っ」


あたしは今……

史上最低の女になっている。



目を閉じ、思い浮かぶのは
あたしを抱いている貴志じゃない。



(ユイっ……)



あの夜、
お互いに名前しか知らなかった駿だーーー。
 
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