この恋を叶えてはいけない
「おかしいのは俺も同じだ」
「え…?」
「唯香のその行動が、俺を想っての行動だって思うと、どこか嬉しいって思ってる自分がいる。
そして、結局それに耐えられなくて、逃げ出したことも……」
「……」
駿の言葉が、じわりとあたしの心を溶かしていく。
きっともう
あたしたちはおかしいもの同士だ。
他人から見れば、理解出来ない心。
だけど……
「もう……手遅れなのかもな……」
薄々と気づいてた。
嵐のあの夜、
兄妹と知ってから初めて交わした口づけ。
後戻りができるようにと、一線を越えることのなかった一夜。
本当はもう、あの時にはすでに
お互いに狂った感情を持ち合わせていたのに……