この恋を叶えてはいけない
8章 嵐の予感
「ねぇ、駿……
今日泊まってってもいい?」
「いいけど。母さんは?」
「今日は夜勤だから帰ってこない日」
「なら、泊まってけよ」
気づけば辺りは暗くなっていて
駿の腕枕でベッドへと横になっていた。
起き上がる気もしなくて、今はただ、片時も駿のもとから離れたくない。
「とうとう……越えちゃったね……」
決して超えてはいけなかったライン。
もう二度と、普通の兄妹には戻れなくなってしまうから……。
「そうだな……」
「……」
駿の頷きに、ぎゅっと顔を胸元へ押し付けた。