この恋を叶えてはいけない
結局あたしたちは、途中まで一緒に帰ることに。
あたしの家は、歩いて行ける場所だけど
戸村さんの家は、電車に乗ってからの場所らしい。
わざわざここで働いているのは、学校の通り道だから定期券内だとか。
「そういえば、早見さんっていくつ?」
「19です」
「俺の2個下かぁ」
「ってことは、21歳ですか?」
「そー。今、大学3年。就活真っ只中」
確かに、大学3年ともなると、いかにも就活生って感じだ。
なのに、今日から新しいバイトをするなんて大丈夫なんだろうか。
「あ、今、バイトのこと思うた?」
「まあ……」
「前のバイト先が、毎日フルで入らんとあかんかって。
やからそっちのほうが就活できなくてな。
ここなら、週3でOKっちゅーし」
ああ、そういうことか。
店長も、今雇っても、あと2年は働けると思ったら、とくに不採用にはしなかったんだ。
確かに、仕事も真面目にこなしてたし。