この恋を叶えてはいけない
 
結局あたしたちは、途中まで一緒に帰ることに。


あたしの家は、歩いて行ける場所だけど
戸村さんの家は、電車に乗ってからの場所らしい。

わざわざここで働いているのは、学校の通り道だから定期券内だとか。


「そういえば、早見さんっていくつ?」
「19です」
「俺の2個下かぁ」
「ってことは、21歳ですか?」
「そー。今、大学3年。就活真っ只中」


確かに、大学3年ともなると、いかにも就活生って感じだ。

なのに、今日から新しいバイトをするなんて大丈夫なんだろうか。


「あ、今、バイトのこと思うた?」
「まあ……」
「前のバイト先が、毎日フルで入らんとあかんかって。
 やからそっちのほうが就活できなくてな。
 ここなら、週3でOKっちゅーし」


ああ、そういうことか。

店長も、今雇っても、あと2年は働けると思ったら、とくに不採用にはしなかったんだ。

確かに、仕事も真面目にこなしてたし。

 
< 138 / 326 >

この作品をシェア

pagetop