この恋を叶えてはいけない
「ありっ…がとっ……」
涙声になりながら
最初に口にした言葉は、伝えきれないほどの感謝の気持ち。
あたしが思っている以上に
もしかしたら、駿のほうが深く重く捉えているのかもしれない。
あたしはほとんど、駿と兄妹だったという記憶はない。
だけど駿の中には、あたしが妹だったという記憶も残っていて……。
それでもあたしを……。
「駿……」
涙を止めて、駿を見上げた。
駿は少しだけ、困ったような顔をしている。
「あたしも……
それ以上に駿を愛してる。
だからこれからも、あたしの傍にいてください」
駿はその返事に安心したように微笑むと
「ああ、一生傍にいるよ」
神様の前で
誓いのキスを交わした。