この恋を叶えてはいけない
お母さんは、ニコリと幸せそうに笑って、再びビールに口をつけた。
その目はもう眠そうで
「布団で寝なよ」
というあたしの声も、ほとんど聞こえてない。
そして結局、机に突っ伏して、そのまま眠ってしまった。
「もう……
お酒、弱いくせにそんな飲むから……」
「ゆいかぁ……あいしてるぅ」
「はいはい」
寝言でも、そんなことを言ってくれる母に、泣きたくなるほどの愛情を感じた。
「……っしょ…」
なんとか引きずって、布団を敷いた部屋へお母さんを運び、毛布をかけた。