この恋を叶えてはいけない
《こちら、中央総合病院ですが……
早見佳歩さんが………
事故に遭われ、こちらに運ばれております》
「………え?」
何かの聞き違いかと思った。
こんなのただのドッキリ。
あたしへの嫌がらせ電話。
だけど受話器越しに聞こえる、緊迫とした声。
「どうした?」
あたしの異変に気付いた駿が、声をかける。
「おかあ……さん……」
「かあさんが?」
「おかあさんが……
事故、に……遭ったって……」
「…っ」
駿の目の色が変わり、
すぐにあたしから携帯をとると、代わりに全部を聞いてくれた。