この恋を叶えてはいけない
12章 再会
「早見さん、こっちの書類もお願い」
「はい!」
あれから……
3年以上の月日が経った。
あたしは大学を辞め、某お菓子メーカーの事務として働いている。
去年までは、派遣社員だったが、あたしの頑張りを認めてくれ、正社員の試験を合格することができ、今年から正社員として事務で働くことになったのだ。
やっていることは、たいてい変わらないけど……。
でも、いつ切られるか分からない派遣でいるよりも
安定した立場でいられる正社員へ昇格したのは、かなりの安心する要素となっていた。
駿とはあの日以来、会っていない。
だからといって、疎遠なわけではない。
メールや電話もするし
お互いに今、何をしているか知っている。
だけど駿は大学を卒業し、社会人になった途端、
駿の配属先は大阪だった。
それもあり、東京と大阪という距離になってしまった今、あたしたちが特別会うという機会がなくなり、
連絡はたまに取るものの、実際に顔を合わすということはなくなったのだ。