この恋を叶えてはいけない
 
【なんか昇進したっぽい。
 課長になった】


という内容。


「すごっ……」


なんて思わず声が漏れた。


駿はどうやら、入社当初から結構期待されているようで
その期待以上に仕事をやってのけている。

その成果もあって、25歳という若さで、課長という座についていた。
 

【すごいじゃん!
 さすがだねっ!!】


なんて、当たり障りのない内容。


あの日から、あたしたちはここぞとばかりのような避け方はしない。

あくまでも兄妹として……

だってあたしたちは
残されたたった二人きりの家族だから……。


それからしばらくなんでもないメールのやりとりを、3回くらい繰り返した。

最後に
「じゃあ、おやすみ」
という文面も添えて。


長々しくメールをしていたら、電話がしたくなっちゃうから……。


そして携帯をテーブルの上に置いて
シャワーへと向かった。
 
< 191 / 326 >

この作品をシェア

pagetop