この恋を叶えてはいけない
【なんか昇進したっぽい。
課長になった】
という内容。
「すごっ……」
なんて思わず声が漏れた。
駿はどうやら、入社当初から結構期待されているようで
その期待以上に仕事をやってのけている。
その成果もあって、25歳という若さで、課長という座についていた。
【すごいじゃん!
さすがだねっ!!】
なんて、当たり障りのない内容。
あの日から、あたしたちはここぞとばかりのような避け方はしない。
あくまでも兄妹として……
だってあたしたちは
残されたたった二人きりの家族だから……。
それからしばらくなんでもないメールのやりとりを、3回くらい繰り返した。
最後に
「じゃあ、おやすみ」
という文面も添えて。
長々しくメールをしていたら、電話がしたくなっちゃうから……。
そして携帯をテーブルの上に置いて
シャワーへと向かった。