この恋を叶えてはいけない
 
【あたし……
 ストーカーにあってるかも……】


なんてメールを、つい駿に送ってしまった。


こんなこと、駿に言ったって仕方がない。

あたしと駿の距離は、東京と大阪。
そんな簡単に行き来できる距離じゃないし、今日来てくれたとしても明日からだってある。


だけど恐怖で
そう送らずにはいられなかった。



でもまだまだ駿は仕事中のようで
そのメールにすぐ返事が来ることはない。


あたしもいつまでも会社に残っているわけにもいかないので
覚悟を決めて席を立った。





「……お、唯ちゃんも今帰るん?」

「あ……はい」



パソコンを閉まって、立ち上がると、
その横を戸村さんが通った。

見ると、戸村さんも鞄をぶら下げていて、帰るようだ。
 
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